変わろうとしなくていい。バックパック一つの身軽な旅が教えてくれたこと

大磯の空

「もっと成長しなきゃ」「今のままじゃダメだ」

日々の生活に追われていると、ふとそんな焦燥感に襲われることはないでしょうか。
ネットを開けば、「スキルアップ」「有意義な時間の使い方」といった言葉が目に飛び込んできます。まるで、常に自分をバージョンアップし続けないと、社会から置いていかれるかのような錯覚に陥ってしまいます。

僕自身、過去にはそうやって「もっと立派な自分」を目指して息切れしていた時期がありました。

でも、本当に僕らは、常に自分を改修し続けなければならないのだろうか?
その「目指すべき姿」というのは、実は誰かが勝手に決めた「世間の正解」に過ぎない気がするのです。

荷物を7kgに絞ると、見えてくるもの

僕は時々、日本での日常から抜け出して、見知らぬ海外の街を歩くようにしています。
相棒は20Lの小さなバックパック。荷物は全部合わせても7kg以下です。

例えば最近訪れた中国南部の街。言葉もろくに通じない場所で、ローカルな食堂のプラスチックの椅子に座り、薄味のスープを飲んでいると、不思議な感覚になります。

日本で背負っていた「こうあるべき」という目に見えないプレッシャーが、全く意味をなさない空間がそこにはあるからです。

誰も自分のことなんて気にしていないし、社会的な肩書きも関係ない。
ただの「一人の人間」としてそこにいるだけ。

そのとき、ふと気づくのです。
「ああ、別に今のままでも、十分にやっていけるじゃないか」と。

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小さなリュックとともに海外のよくわからない場所でボーッとする。

標準サイズに自分を押し込まない

私たちは大人になる過程で、「ちゃんとした大人とはこういうものだ」という見えない型枠に、自分をギュウギュウに押し込もうとしてしまいます。

でも、それに違和感を覚えたり、息苦しくなったりするのは、ごく自然なことです。
なぜなら、人の数だけ生き方があるのに、たったひとつの「正解の型」に全員が収まるわけがないからです。

旅先で多様な文化や、そこで逞しく生きる人々を見ていると、世界はもっと大雑把で、懐が深いことに気づかされます。
日本の常識から見たら少し「はみ出している」ようなことでも、別の場所ではごく普通だったりします。

だから、誰かが作った基準に合わせて、自分を無理に歪める必要なんてないんです。
あなたには、あなた独自のペースがあり、得意なことや、好きなものがある。それで十分すぎるほどです。

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地面の黒いタイルに水で書道の練習をするおじさん。とてもエコ。

足すのではなく、手放すこと

「変わりたい」という気持ちの裏側には、実は「誰かの期待に応えようとするのをやめて、もっと自然体で生きたい」というSOSが隠れているのではないでしょうか。

何か新しいスキルを身につけたり、欠点を克服したりして自分を武装するよりも、背負い込みすぎた荷物を下ろすほうが、よっぽど心は元気になります。

僕がニュースアプリを消して情報のノイズを減らしたり、バックパックひとつで旅に出たりするのは、まさにこの「手放す」作業なんだと思います。

心が穏やかになった2ヶ月間:テレビもニュースアプリもない生活と「情報最適化」術

今回のケセラセラ そのままで歩き出そう

「変われない自分」を責めるのは、もう終わりにしませんか。

僕はこれからも、大磯の海辺で静かに暮らしながら、時々ふらりと国境を越えて、自分の心が喜ぶ音楽や文章を作っていこうと思っています。それが、自分なりの一番自然な生き方だからです。

もし今、あなたが何かに追い立てられるように「変わらなきゃ」と焦っているなら。
週末、スマホの電源を少しだけ切って、なるべく身軽な格好で、行ったことのない駅に降り立ってみてください。

きっと、「あれ、別に今の自分のままでも悪くないな」と、肩の力が抜ける瞬間がやってくるはずです。

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遠くに行けなくても近くの気持ち良い場所でリラックス。
近所の海で裸足になると気持ち良い。

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